ミドルのニーズは上がっている
キーワードは「少子高齢化」と「就職氷河期」
圧倒的人材不足
日本における少子高齢化の問題はさまざまな課題を浮き彫りにしていますが、そのひとつとして挙げられるのが「人材不足」です。各企業において、これからどのようにも染まっていける20代の需要が大きいのは事実ですが、若年層の人口自体が減ってきているわけですから20代だけにこだわっているわけにもいかないのが現状です。また、働き方も多様化しており、正社員以外の立場でも十分に自分らしく働いていける場所があるため、せっかく入社した人材が流れていってしまうという現象も企業を悩ませている問題のひとつです。
このように、人材を確保するためにはミドル層にまで間口を広げなければならないというのが多くの企業が置かれている状況です。
年功序列はもう古い
人生80年時代、歳に応じて評価が上がり60歳で定年、と考えると、30代後半にもなれば仕事の技術も成熟し立場も安定することから、わざわざリスクを冒してまで転職をする人は多くはなかったでしょう。しかし今では人生100年時代と言われており、60代以上でも働き続けている人が増えてきています。そのような中では30代、40代もまだまだ若手と言えるのではないでしょうか。
働き方も多様化し、今や終身雇用や年功序列が過去の言葉になりつつあるように、ビジネスパーソン個人個人が考える仕事の在り方も変わってきています。やりがいや、人生での優先事項を大切にできる環境を求めて、転職に積極的な人も増えてきているのです。ずっと我慢していれば将来が約束されている、そのような世の中ではないのなら、希望や理想を求めて転職しようと考えても不思議はありません。そのような中で人材の流出に悩み、ある程度の技術や経験を持ったミドル層を積極的に採用したいという企業が増えてきているのです。
管理職が必要
現在多くの企業が悩んでいる問題のひとつは先に挙げた人材不足ですが、その中でも最も頭を悩ませているのはマネジメント層が足りないことのようです。1990年代半ばから2000年代前半にバブル崩壊などを理由に多くの企業が新卒採用を控えた「就職氷河期」の影響から、今管理職として仕事を任せられる人材が足りていないのです。
社会人としてしばらく仕事をしていると、自分がどういった人間なのか、今の社会はどうなっているのか、全てではないにしろ、広く見渡せる視点が備わってくるはずです。同時に、譲れない芯のようなものが出来上がったり、逆に柔軟性を持って新しいものを作り出すアイディアが生まれてきたりもするのです。こういった力こそ、今の企業が求めている能力です。
がむしゃらに作業するだけでなく、十分な知見と精神力を持って仲間を率いていくことができる、そのような人材を管理職として採用し、変化の大きい今のビジネス環境を生き抜いていきたいというのが多くの企業の本音なのではないでしょうか。
あなたにおすすめの記事
採用側の期待を知っておこう
企業がミドル世代を採用したいと考える背景には、単純に人手不足だけでは片づけられないものがあります。経験を活かして即戦力として活躍するだけでなく、指導力や人間性なども期待されています。
詳細を見る